【英語の歴史】英語は思ったよりラテンなゲルマン系言語
英語は大ブリテン島(Great Britain)を舞台として諸民族の侵略と混血によって複雑に形成された言語だ。文法は簡素化したが語彙は多重化(複雑化)した。発音体系はある意味めちゃくちゃだ。
英語を学ぶとき、ざっとでもこういう英語の形成過程を知っておくと格段に学習効率が上がるはず。今回は急がば回れということで、簡単に英語のあゆみを学びつつ、なぜ英語はゲルマン系言語なのに、6割の語彙がラテン系由来になってしまったのかについて勉強してみよう。
※2018.11.6 全面改訂、2019.6.18 部分修整
英単語の6割近くはラテン由来
みなさんはQuoraというサイトをご存じだろうか?アメリカ版のYahoo知恵袋のようなサービスだ。質問者にその道の専門家(もしくはそれに準ずる物知り)が、それなりに信用できる回答を寄せている。英語の勉強にも役立つと思う。
そのQuoraにあるとき “Is English a Germanic language?” という質問があって興味深く読んだ。コンサイスにまとまった明答だと思ったものを引用する。
It depends on what you mean by language. Vocabulary-wise, around 60% is derived from Latin. This happened more as a result of the Norman Invasion than Roman occupation, as a lot of that vocabulary was derived through French. Despite this, English is still a Germanic language, and that’s because its grammar structure is pretty much the same as it was 1,000+ years ago.
To put it briefly, English is a grammatically Germanic language with a lot of words that derive from Latin.
イギリス史に詳しくない人は意外に思うかもしれないが、この回答者の言うように、英単語の6割はラテン由来(ラテン語から直接借用したものもあるが、多くの語彙の出元はロマンス語、とくにイングランドを征服したノルマン貴族の使っていたノルマン・フレンチ)だ。しかし英語の骨格(文法構造などの基礎部分、やまとことばに相当する基本語彙)はゲルマン系(低地ドイツ語+古ノルド語)のままなのである。
これは、からだや魂は日本人だけど、ふだんは洋装している日本人の状況と似ていなくもない。
ちなみにノルマン・フレンチはパリで話されていたセントラルフレンチに対する訛のようなものだ。
ノルマン・コンクエストの影響
ゲルマン系のつくった原英語(古英語、Old English)に対して、約1万もの語彙をもたらし、その後の英語発達史を大きく左右したのが11世紀の大陸ノルマン人によるイギリス征服(Norman Conquest)だ。ノルマン侵攻以来、英語の語彙(lexicon)は以下のように三層化した。
- 坊主や学者が使うラテン語(ヨーロッパ共通の権威、ラテン語そのものがギリシャ語から多くを借用しているから間接的にはギリシャ語も含む)
- 支配層の使うフランス方言(日本語の漢語に相当するロマンス=ラテン系言語のノルマン・フレンチ)
- 庶民の使う英語(日本語のやまとことばに相当するゲルマン系言語、古英語の流れ)
そして文化が発達すればするだけフランス依存症もしくはギリシャ・ローマ依存症が昂じていく。その結果、同じ概念や事物に複数の表現があるのが当たり前になってしまったのである。
このリストを見てもらえば目の眩むような思いがするとともに、なるほどとも感じるのではないか。
たとえば、ゲルマン系のanswerに対してラテン系のresponse、askに対してinquire、beliefに対してcreed、stayに対してremain、bigに対してlargeあるいはgrandと枚挙にいとまがない。
ピジンとクレオール
Quoraの回答には次のようなものもあった。
In linguistic terms modern English is a pidgin language, a merger between a West Germanic substratum and a French/Latin superstratum. 60% of the dictionary entries are essentially French/Latin/Greek.
ピジン(混成語)というのは、母国語を異にする異民族(異部族)同士が意思の疎通を図るために生み出した混成言語で、ネイティブスピーカーを持たないものを言う。この限りでは一部のみで流通するマイナー言語なのだが、ピジンが継続発展して独自の言語となり、ネイティブスピーカーを持つようになるとクレオール(creole)と呼ばれることになる。
そういう意味では、上の回答は不正確で、「英語はクレオールである」とすべきところだ。でもそういう意味なら、日本語だって中国語との交渉から生まれたクレオールだろうし、クレオールでないメジャー言語を探す方が難しいのではないか。
この回答者は続けて、ネイティブはゲルマン語系とラテン語系を “自然と” 使い分けができるという。
The Germanic version is perceived by a native speaker as “emotional” whereas the latin version is perceived as aloft and academic.
“emotional”と”aloft”、なるほど、ゲルマン系=主観的(魂)、ラテン語系=ちょっと高級(理知)という感じか。
英語史のあらまし
簡単に英語史の概略を説明しておこう。冒頭に書いた「諸民族の侵略と混血」は主に、ケルト系(とされる)原住民(アイルランド人、スコットランド人、ウェールズ人を含む)、ローマ人、アングロ・サクソン人、ヴァイキング(デーン人)、ノルマン人の間で起きた。
Old English期:ノルマン・コンクエスト以前(AD450~1150年頃)
英語のベースとなる古英語(オールド・イングリッシュ、Old English)を作ったのはドイツ北部の低地ドイツ語(Niederdeutsch)を祖語とするアングロ・サクソン人(Anglo-Saxons)である。この時代には名詞や動詞や形容詞の格変化など文法は複雑だった。そこへスカンディナビア半島から古ノルド語(アイスランド語に痕跡が多く残る)を話すデーン人(Danes)がヴァイキングとして襲来した。デーン人の影響で英語文法の簡素化が始まった。
Middle English期:ノルマン・コンクエスト以降の近世(AD1150~1500年頃)
ノルマン支配層の意向で大量のラテン系語彙が持ち込まれ、同一事物に複数の言い分けがなされるようになった。キリスト教の普及以来、学者や聖職者は書き言葉としてラテン語を用いていたが、そこへ支配層のノルマン人はフランス語方言が持ち込まれ、議会、法廷、宮廷、学校などで用いる公用語となった。ネイティブ英語は庶民階級のみが使用するようになり、英語の三層構造化が起きたのである。
14世紀、フランスとの間に百年戦争が起き、ナショナリズムの高揚したイングランドでは公用語を敵性言語フランス語から英語に戻した。この頃、詩人チョーサー(Geoffrey Chaucer、1343-1400年)は教会用語のラテン語でも、貴族のフランス方言でもなく、初めて庶民の使う英語(ミドルイングリッシュ)で小説『カンタベリー物語』(The Canterbury Tales)を書いた。ただし、この時代になっても英語に不足していた諸概念はラテン語やフランス語から導入せざるを得なかった。
Modern English期:シェイクスピア以降現代まで(1500年以降)
印刷技術が発明されると、印刷の中心地ロンドンのスペルが印刷物に採用され、綴りの統一化が進んだ。ラテン系語彙の移入は続いた。16世紀以降イギリスにもルネサンスが勃興するが、シェイクスピア(William Shakespeare、1564-1616年)ら文人たちは英語の水準を高めようと、積極的にラテン語やギリシア語などから語彙を借用し定着させた。キリスト教の影響も多大で、新約聖書のギリシャ語原典が英訳され、旧約聖書のヘブライ語原典が直接英訳された。とくに1611年出版の欽定訳聖書(King James Version、KJV)は、版を重ね広く普及したため、英語文体に深い影響を残した。たとえば、有名な『ヨハネ福音書』冒頭は次のように訳されている。これを現代英語訳と比較してみよう。
KJV訳
1 In the beginning was the Word, and the Word was with God, and the Word was God.2 The same was in the beginning with God.3 All things were made by him; and without him was not any thing made that was made.4 In him was life; and the life was the light of men.5 And the light shineth in darkness; and the darkness comprehended it not.
New International Version訳
1 In the beginning was the Word, and the Word was with God, and the Word was God. 2 He was with God in the beginning. 3 Through him all things were made; without him nothing was made that has been made. 4 In him was life, and that life was the light of all mankind. 5 The light shines in the darkness, and the darkness has not overcome it.
現代日本語訳
1 初めに言(ことば)があった。言は神と共にあった。2 言は神であった。この言は初めに神と共にあった。3 すべてのものは、これによってできた。できたもののうち、一つとしてこれによらないものはなかった。4 この言に命があった。そしてこの命は人の光であった。5 光はやみの中に輝いている。そして、やみはこれに勝たなかった。
文化水準の高かったフランス語からの借用も継続していた。ラテン語やギリシア語由来の単語をフランス語経由で取り入れるだけでなく、ラテン語やギリシア語を直接借用するケースも増えていった。その結果、英語の語彙はいよいよ寄り合い所帯の様相を呈した。現在の英語に近い文法が確立したのは18世紀と言われるが、国際公用語化している現代(世界で7億人が学んでいるという)では、様々に現地化された英語が生まれている。話者の特に多いメジャーな英語方言(English dialects)だけでも、アメリカ英語、カナダ英語、インド英語、オーストラリア英語、ニュージーランド英語、南アフリカ英語、アイルランド英語の7つがある。
参考動画
英語の発展史を手際よく説明している動画を紹介しよう。字幕付きなのでヒアリングの練習にもいいかもしれない。
グレートブリテンは島の名前
ついでなので日本人が混乱しやすいグレートブリテンについて説明しておこう。これは島の名前であって、国の名前ではない。
日本がイギリスと本格的に交渉し始めた19世紀、いわゆる幕末の時代、イギリスはすでに押しも押されぬ超大国(great power)だった。”Great Britain” と聞いた日本人が、この “great” を「偉大なる」の意に解したとしても責められない。
ところが、”Great Britain” の “great” は単に物理的な大きさを意味している。”Great Britain” と言えば「大ブリテン島」のこと。通常、Great Britain “Island” とも、”the island of Great Britain” ともいわない。右の地図でいうと、Scotland、England、Walesを含む一番大きな島が大ブリテン島だ。
だが、どこと比較して大きな島なのか?どこかに “Little Britain” があるのか?ニューヨークにイタリア移民の築いたリトル・イタリーがあるように?
ブルターニュ地方
対岸のフランスに比較される場所があるのである。
紀元前の時代、大ブリテン島にはブリトン人(Briton)と呼ばれるケルト系住民(Celtic tribes)が暮らしていた。そこへBC1世紀、ローマ帝国が進駐してきた。”Britain” ということばは、このローマ人が当地をブリタニア(Brittania、ギリシャ人の呼称に由来)と呼んだことに由来する他称なのである。
征服されたブリトン人(島嶼ケルト人)はローマ人に同化していったが、AD5世紀にローマ帝国が滅びてしまうと、ローマ人の代わりに、今度は北ドイツやユトランド半島からアングロ・サクソン人が大ブリテン島に侵入してくる。これを嫌ったブリトン人(おそらく現在のウェールズ地方中心)が、海を渡って、フランス北部のブルターニュ地方(Bretagne、ラテン語のブリンタニアに由来)へ逃れた。
ブルターニュ地方の開発の歴史は古く、数十万年、ネアンデルタール人が最初に住み着いたといわれる。その後にホモサピエンス、すなわちケルト諸族(大陸ケルト人)が移動してきて定住した。イギリスに進攻する前、ローマ帝国はこの地にも侵攻していた。ローマ人はこの地をブルターニュではなくアルモリカ(Armorica)と呼んだ(右下の地図中央部)。
アルモリカの大陸ケルト人は、錫の交易などを通じて島嶼ケルト人と密接に結びついており、そのよしみもあって移住が進んでいったのだろう。
中世になると大ブリテン島とブルターニュ地方のケルト人地域を区別する必要が出てきたため、大陸側を小ブルターニュ(Britannia minor)、島嶼側を大ブルターニュ(Britannia major)と呼ぶようになった。この区別が次第に定着していった結果、大ブルターニュを英語化して「グレートブリテン」と呼ぶようになったのである。
現代のグレートブリテン
大ブリテン島には現在、EnglandとScotlandとWalesという3つの国(country)がある。だから、”British” といえば、この大ブリテン島を形容する。”English” といえば、そのうちイングランドのみを形容する。これが基本だ。サッカーやラグビーのワールドカップを観れば、この区別はわかってもらえるだろう。
たとえば、スコットランド人に “Are you British?” と訊くのは構わないが、”Are you from England?” と訊くのは微妙だ。おそらく訊かれた側は “No, I’m a Scot.” と思うだろうから。この場合、無難なのは “Are you from UK?” とか “Are you from Scotland?” である。Walesの場合も同様。Walesの形容詞はWelshだから、”Are you a Welsh?” などと単刀直入に日本人が訊けば、向こうは内心喜んでくれるだろう。
じゃあ、グレートブリテンとUKって何が違うのか?グレートブリテンにアイルランドの北部(北アイルランド)を加えた4つの国の連合国がUKなのである。下の国旗の図を見てほしい。左上からイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドであり、これらが合わさって右のUKになっている(ユニオンジャックとはUK国旗のことなのだ)。
参考動画:英語はホントにゲルマン系言語?
学習のヒント:ゲルマン系とラテン系の違いを意識する
両者の区分けを知っていると勉強に役立つと思う。ゲルマン語由来をGermanic、ラテン語由来をLatinateという。
ゲルマン語由来のことばは日本語のやまとことば、ラテン(フランス)語由来は外来語
最も大きな違いは音節数に現れる。
たとえば、一音節のask、get、hit、have、standなどの基本語はほとんどゲルマン語由来だ。ネイティブは “basic words” と呼ぶ。基本動詞は、do/did、go/went、get/got、spend/spent、forget/forgotのように不規則変化するが、これは古いゲルマン語の性質に由来している。これに対してラテン語由来の動詞は規則的に変化する。たとえば、respond/responded、inquire/inquiredといった風に。ゲルマン語由来のことばは、日本語でいえば、やまとことばに相当するのである。
それに対して二音節以上の単語には、confront、differentiate、perceiveなどラテン語由来の単語が多く、ネイティブは “nonbasic words” と呼ぶ。日本語でいえば、中国語由来の漢語に相当する。
セット化して覚える
英語ではその形成史を反映して、同じ事物や概念に2つ以上のことばが存在する。それがふつうなのであれば、逆手にとって何か単語を覚えるときはセットで覚えてしまおう。これで原則的にはボキャブラリーを倍増させることができる。
たとえば、creedということばが出てきた。どうも宗教がらみの「信じる」という意味らしい。creedがラテン語に由来するなら、それに対応するゲルマン語由来の基本語は何か?あ、そうだ、beliefか。creedにはcredoやcredenceという類語があるのか。cred-という接頭部分はどうも「信」という概念らしい。ああ、それでcredit、credential(ユーザーIDやパスワードなどの認証情報のこと)などのことばにつながっているのか。
基本語だけマスターすれば最低限の必要は満たせる
ラテン語由来の洋服部分を取り去り、裸の英語を把握しているだけで基本的なコミュニケーションが可能だ。そうした考え方を具体化したのが、オグデンという言語学者が考案したベーシック・イングリッシュ(Basic English)である。具体的にどんなことばが基本語(850語)なのか、基本的な文法はどの程度のものかは、以下のwiki記事によくまとまっているので参考にしてほしい。
Germanic vs Latinate対応表
以下の表の中央2列が、Germanic wordsとそれに対応するLatinate wordsである。もちろんこれだけではないが、代表的なものがピックアップされている。
Germanic source |
Germanic |
Latinate |
Latin source |
Old Norse angr Gmc *wraiþiþo |
anger wrath |
rage ire |
rabiēs īra |
WGmc *aiskōn | ask | inquire request |
in + quaerere re + quaerere |
Gmc *ga-waraz | aware | cognizant | cognoscere |
Gmc *bakam | back (n) | dorsum (> dorsal) | dorsum |
Gmc *beforan | before | prior to | prior |
WGmc *be + *ginnan | begin | commence | com + initiāre |
Gmc *ga-laubjan | belief | creed or credence | crēdere |
Gmc *balgiz | belly | abdomen | abdomen |
Old English bodig | bodily | corporal | corpus |
Gmc *brōþar | brotherly | fraternal | frāternus, frater |
Gmc *bugjanan | buy | purchase | pro- + (vulgar L.) captiare |
WGmc *kalbam | calf | veal | vitellus, vitulus |
Gmc *koluz | cool | acquiesce | ad- + quiescere |
Gmc *kilþam | child | infant | īnfāns |
Gmc *kweman | come | arrive | ad + ripa |
Gmc *kōuz | cow | beef, bovine cattle |
bōs/bōvis med. L capitale |
Gmc *daudaz + *likaz | deadly | mortal fatal |
mortālis fatum |
Gmc *deupaz | deep | profound | pro + fundus |
Gmc *deuzam | deer | venison | venātiō/nis |
Gmc *erþō | earth | soil | solium |
Gmc *austra | eastern | oriental | orīri |
Gmc *anðiōn | end | finish complete discontinue |
fīnīre complēre dis- + continuāre |
Gmc *fadar + *likaz | fatherly | paternal | paternus, pater |
WGmc *fōljan | feeling | sentiment, sensation | sensus, sentiō |
Gmc *fullijan + *up | fill up | replenish | re + plēnus |
Gmc *furistaz | first | primary | prīmus |
Gmc *floþuz | flood | inundate | inundāre < in + unda |
Gmc *fulgian | follow | ensue | in- + sequi |
Gmc *fur-*biudan | forbid | prohibit interdict |
prohibēre < pro + habēre inter + dicere, dictus |
WGmc *fur-*getan | forgetting | oblivion | oblīviscī |
Gmc *fura + *taljanan(calque) | foretell | predict | praedīcere |
WGmc *fuχs + *likaz | fox-like | vulpine | vulpēs |
Gmc *frijaz | freedom | liberty | lībertās < līber |
Gmc *frijond + *likaz | friendly | amicable | amīcus |
Gmc *gadurojan | gather | assemble | ad + simul |
Old Norse geta + Gmc *af | get off | descend | de- + scandere |
Old Norse geta + Gmc *ut | get out | produce | pro- + ducere |
Gmc *giftiz | gift | present | prae- + essere |
Gmc *geban | give | provide | pro + vidēre |
Gmc *glaþaz | gladness | joy pleasure delight |
gaudium placēre dēlēctāre |
Gmc *guþan | god | deity | deus |
WGmc *gaian + Gmc *an | go on | proceed | pro- + cedere |
Gmc *getiskanan | guess | suppose presume surmise |
sub- + ponere prae + sumere super- + mittere |
Gmc *χauzjian | hearing | audience | audīre |
Gmc *χatojanan | hate | detest | de- + testari |
Gothic *haiþi | heathen | pagan | pāgānus |
WGmc *χōdjan | heed | attention | atteniō, attendere |
Gmc *χauχiþa | height | altitude | altitūdō (< altus) |
Gmc *χelpan | help | assist | assistere < ad + sistere |
WGmc *χannja | hen | poultry | pullus |
Gmc *χulnis | hill | mount | mōns, montis |
Gmc *χrussaz | horse | equestrian | equestris |
Gmc *χundaz + *likaz | hound-like | canine | canis |
WGmc *jukkjan | itch | irritate | irritāre |
Gmc *knoean | know | recognize | re + cognoscere |
Gmc *laiþjan | leader | duke president |
dux praesidēns |
Gmc *laibijan | leave | depart egress exit |
dispertīre ēgressus ex + īre |
Gmc *langiþo | length | longitude | longitūdō (< longus) |
Gmc *legjan | lie (lie down) | repose recline |
re- + pausa re- + clinare |
Gmc *lubo | loving | amorous | amōrōsus |
Gmc *markojan | mark | indicate | in- + dicare |
Gmc *ga-makon | match | correspond | con + respondēre |
WGmc *mainijan | mean | intend signify |
intendere significare |
Gmc *motijan | meet | encounter | incontrāre < in + contrā |
Old Norse mistaka | mistake | error | error (< errāre) |
Gmc *mōdar + *likaz | motherly | maternal | māternus, māter |
Gmc *neujaz | new | novel modern |
novus modernus |
Gmc *naχt + *likaz | nightly | nocturnal | nocturnus |
WGmc *alda | old | ancient | ante – “before” |
Gmc *anþaraz | other | different | differre |
Old English pullian + Gmc *ut | pull out | extract | ex- + trahere |
Gmc *rutjan | rot | putrefy | putrefacere |
Gmc *seχwan | see | perceive | per- + capere |
Old Norse sœma | seem | appear | apparere |
WGmc *skæpa Gmc *lambaz |
sheep lamb |
mutton | med. L. multō |
WGmc *skuttjan | shut | close | clausus |
Gmc *skeuχ(w)az | shy | timid | timidus |
Old Norse skil | skillful | adept | adeptus < adipiscī |
Gmc *slæpan | sleeping | dormant | dormīre |
Gmc *seχ(w) | sight | vision | vidēre/vīsum |
Gmc *sprekan Middle English talken |
speak talk |
converse discourse |
con- + vertere dis- + currere |
Gmc *swīnam | swine | pork | porcus |
Old Norse taka + Gmc *up | take up | resume | re- + sumere |
Gmc *taikijan | teach | educate | ēdūcāre < ēdūcere |
Gmc *taljanan | tell | relate | relatus < re- + ferre |
Gmc *þankjan | thinking | pensive | pēnsāre |
Gmc *þankjan | thought | idea | idea |
WGmc *þræan | throw | eject | ex- + iacere |
Old English teorian | tired | exhausted | ex- + hauriō |
Gmc *tūnaz, tūnam | town | city | cīvitās, cīvis |
Old English understandan | understand | comprehend | comprehendere |
Gmc *up- + *luftijan | uplifting | elevating | ē- + levāre |
Gmc *utizon | utter | pronounce | pro- + nunciare |
Gmc *utizon | utterly | totally | tōtālis |
Gmc *wadjojan | wage | stipend salary |
stipendium salārium |
Gmc *wakan | wait | expect | ex + spectāre |
Gmc *wakan | watch | observe | ob + servāre |
Gmc *wakan | watchful | vigilant | vigilāre |
Gmc *westra | western | occidental | occidere |
Gmc *(ga)χailaz | whole | entire | integer |
Gmc *widas | width | latitude | latitūdō (< latus) |
Gmc *wisaz | wise | prudent | prudēns < providēns |
Gmc *wunskjan | wish | desire | desiderāre |
Gmc *wulfaz + *likaz | wolf-like | lupine | lūpus |
Gmc *widuz | wood | lignin | lignum |
WGmc *gelwa | yellow | ochre | ochra |
出典:translationdirectory.com
英語化の趨勢は印欧語の強みを背景にしている
国際公用語化しつつある英語はいまも混成化が進んでいる。ネットを前提とする現代の情報環境を反映した、新たなベーシック・イングリッシュともいえるグロービッシュ(Globish=Global English)なる簡便な英語も生まれている。しかし、グロービッシュはあくまで日常コミュニケーションの必要を満たすもので、アカデミズムやビジネスの一線で英語を使いたい人には物足りない。文法と語彙はいまも大事な武器であり、そこにこそ英語文化の華がある。
英語は言語学上、インド・ヨーロッパ語族(印欧語族とも、Indo-European Language Family)という世界最大の言語ファミリーに属する。この有利さも英語の通用力を高める背景になっている。赤の他人のようにかけ離れた出自を持つ日本語には琉球語くらいしか親戚がいないが、英語には、インドのサンスクリット語、イランのペルシャ語から、ギリシャ語、イタリア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、オランダ語、スウェーデン語、チェコ語、ロシア語、・・・挙げれば切りのないくらい親戚がいる。アメリカという超大国が英語の方言のひとつ米語(American English)を使っている。これは圧倒的な言語的競争優位性である。
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