【名言集】ユリウス・エヴォラと社会正義思想の流行
当サイトは英語サイトにもかかわらず、最近やっとそれらしい学習法記事をいくつかアップした、ひねくれた英語サイトである。今回はひねくれの方へ復帰する。ツイッターに連投したものを改めて紹介したい。みなさんが、社会正義なる疑似宗教に騙されないように。
ユリウス・エヴォラとは誰か?
ユリウス・エヴォラ(Jurius Evola)は、過激な反動的愛国主義者のレッテルを貼られ、ごく一部の人間しか知らないイタリアの思想家である。
「エヴォラの思想は20世紀において最も過激で、一貫して反平等主義、反自由主義、反民主主義、反平民主義的な構造を有している」と評されるような、近現代の主流的思潮に対するアンチの塊である。
しかし彼はファシズムに与していたわけではない。むしろ終生ファシズムに批判的だった。ファシズムは自分自身が「政党」という国家の部分であるにもかかわらず、国家を全体化しようとする。それは原理的矛盾ではないかというのである。
エヴォラのより詳しい伝記や思想については、奇特にも英語Wikipediaの記事を日本語化してくれているサイトがあるので、そちらを読んでほしい。
なぜエヴォラなのか?
そんなエヴォラをあえて取り上げるのは、彼の中にヨーロッパの問題が集約的に現れていると思うからだ。エヴォラは一貫してユダヤ的唯物主義を唾棄し敵視して、古き良きヨーロッパを蘇らせようとした。
蘇らせる?
そう、彼の産み落とされたヨーロッパはもはやヨーロッパの廃墟でしかなかったのだ。
エヴォラは次のようにいっている。
Western civilisation needs a complete overhaul or it will fall apart one day or another. It has realised the most complete perversion of any rational order of things. Reign of matter, of gold, of machine, of number, it no longer possesses breath, or liberty, or light.
西洋文明は全休した方がよい。さもなければ早晩崩壊する。この文明は物事の真っ当な序列を完膚なきまでに転倒させた。モノの支配、金の支配、機械の支配、数字の支配。もはや息もできず、自由も光もない。
廃墟から立ち上がった “社会正義” 宗教
この廃墟から、いま流行りの社会正義(social justice)が立ち上がってきたとブログ主は考えている。社会正義は20世紀に入って自分たちの優越を誇る根拠を次々失っていったヨーロッパがその “先進性” の最後の砦として選んだ疑似宗教であり、その正体はユダヤ的唯物論なのである。
社会正義は戦後ヨーロッパを席巻し、アメリカを侵食し、現在の杉田水脈LGBTバッシングに象徴されるように、とうとう日本の政治まで巻き込む広がりを見せている。
ポリコレ(PC: Political Correctness)、アファーマティヴ・アクション(affirmative action)、LGBT受け入れ、男女機会均等・・・等々の耳障りがよく、ときに抑圧的な数々の流行思想は、社会正義の実現を目指しているというより、社会内に要らぬ分断を生みだす契機になっている。
分断?
社会正義思想は変形マルクシズムであり、行き場を失った左翼的思考の人間たちの格好のアジトなのである。だから彼らは国会前に集まってしまう(笑)。例によって、”進んでる遅れてる” の二元論の世界に人々を引きずり込みたいのだ。そういう意味でLGBT問題はひとつのネタに過ぎない。安倍政権に反対できれば何でもいいのだ。
日本はずっと非難され続けるだろう
これを国際的に拡大すると従軍慰安婦問題、靖国問題となる。日本社会の “後進性” が非難されるのである。日本人がいくら “真実” で反撃しても無駄だ。
社会正義思想はもはや一部のものではない。欧米社会全域、いや世界全体を席巻する新宗教である。日本は非欧米人種のなかで唯一、欧米に伍して帝国を築き、欧米に匹敵する生活水準を達成し、近代的社会を実現した異分子である。
日本は敗戦したにもかかわらず、戦後も文化、技術、政治的安定・・・いずれのファクターをとっても理想に近い社会を実現している。国際世論調査ではつねに肯定的評価が否定的評価を上回っている(特定三国を除く)。日本人の地道な努力の成果である(こうした努力はかつてエコノミック・アニマルと呼ばれた)。
・・・そうした羨むべき日本に対して、唯一欧米が “先進性”、”優越” を誇れる根拠が社会正義なのである。だから、日本には「社会正義後進国」というレッテル貼りをするのがデフォルトなのだ。
ちゃんちゃらおかしいのは、もっとも差別的で犯罪的な行為を繰り返してきた欧米の豹変ぶりである。彼らが心の底から反省することなどありえない。少なくても英語がリンガ・フランカとして大手を振っているうちは、そんなことはありえない。
まあ、英語はできた方が得ではある。でも、みなさんはつねに日本人という特殊な立場を背負っていることを忘れないでほしい。”名誉白人” は楽じゃないのである。
エヴォラ名言集
アメリカについて
To all organic conceptions of life Americans oppose a mechanistic conception. In a society which has ‘started from scratch’, everything has the characteristic of being fabricated. In American society appearances are masks, not faces. At the same time, proponents of the American way of life are hostile to personality.
生に関わるあらゆる有機的概念に対してアメリカ人は機械的概念を対置する。「一から始めた」この社会の物事はすべて作られた感に彩られている。アメリカ社会では外見は顔でなく仮面だ。アメリカ的生活様式を受け入れれば個性を敵視せざるをえない。
アメリカ女について
American women are characteristically frigid and materialistic. The man who ‘has his way’ with an American girl is under a material obligation to her. The woman has granted a material favour. In cases of divorce American law overwhelmingly favours the woman. American women will divorce readily enough when they see a better bargain. It is frequently the case in America that a woman will be married to one man but already ‘engaged’ to a future husband, the man she plans to marry after a profitable divorce.
アメリカ人女性は際立って冷淡で即物的だ。アメリカ女を完全にものにしたければ、男は物を貢がねばならない。女は男よりモノを優先する。アメリカの離婚の法律は女性に過剰なくらいやさしいから、アメリカ人女性はもっといいカモが見つかればとっと離婚する。本命と「婚約」した後に他の男と結婚し、離婚で儲けてから本命と結婚することも珍しくない。
資本主義について
Modern capitalism is just as subversive as Marxism. The materialistic view of life on which both systems are based is identical. As long as we only talk about economic classes, profit, salaries, and production, and as long as we believe that real human progress is determined by a particular system of distribution of wealth and goods, then we are not even close to what is essential.
現代資本主義はマルクシズムとまったく同じくらい破壊的だ。人生をものとして見る点で完全に一致している。経済階級、利益、給料、生産の話に明け暮れ、富や財の分配の仕方で本当に人類が進歩すると思っている限り、我々は何ら本質的なことを考えていない。
以下の本記事の続編もぜひお読みいただきたい。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません