【英語で学ぼう仮想通貨07】通貨システムの問題点とデジタル版減価通貨 Feicoin

2018-05-24お金の話, 仮想通貨, 貨幣論・歴史

お金のしくみの問題点

減価費用(デマレージ)が問題視するお金のしくみはどこに問題があるのだろうか?それを考える手がかりとして、Freicoin公式サイトにあるFAQコーナーの質疑が役に立つので紹介しよう。

Monetary system(お金のしくみ)
Q: What’s wrong with the modern financial system?
A: In the current system, money is created by private organizations (banks), which lend the money to people. This generates inequality – some have to earn the money, while others get it automatically.

出典Freicoin FAQ

 

Q: 現代の金融システムのどこが悪いの?
A: お金が民間企業(銀行)によって作られ、人々に貸し出されているからです。これが格差を生み出す原因です。借りた人はお金を稼がねばなりませんが、貸す人は自動的にお金を得られるからです。

さらっと書かれているが問題の本質が凝縮されている。

お金はお客の負債(銀行の資産)として作られるのだ。
お金は時限爆弾だと考えればわかりやすい。それは借金として市場へ投げ込まれる。爆発すると大変なのでみんな必死に返す。返済が終わるとどうなるか?銀行のコンピューター上で消滅するだけだ。
市場に流通しているキャッシュはいかにもちっぽけなものだ。圧倒的な借金量の返済(しかも利子つき!)によって吸い上げられていく。その帰結が1vs99%の経済格差なのである。

Q: But money is created by the government, isn’t it?
A: No. The government does not create money. Paper money is printed by an independent agency, called the Central Bank. But cash only counts for 3% of all money. Most of it is electronic/digital money. Commercial banks create the money when they give out credits. This means the government has almost no control over the money distribution.

Q: でも政府がお金を作ってるんじゃないの?

A: いいえ、違います。政府はお金を作っていません。紙幣は政府とは独立した中央銀行が作っています。市場に出回っているキャッシュは全貨幣量の3%に過ぎません。お金の大半はデジタルな電子マネーです。お金は民間銀行がお客にお金を貸し出すとき生まれます。したがって政府にお金の配分を規制する手立てはほとんどありません。

ここも見逃せないポイントだ。

中央銀行の大半も実は株式会社である。政府が筆頭株主ではあることが多いが、それでも政府とは独立した機関だ。

中央銀行は “収益” を株主に配当として払っている。日銀では国庫納付金として政府に戻しているが、英米などでは配当を払っているのだ。この株主が誰なのかは伏魔殿で誰も特定しようとしない。

そもそも中央銀行は発祥したときから民間の金貸しなのである。政府への金貸しだ。例えば、歴史上重要な役割を果たしたイングランド銀行は戦費調達の功績で独占的な紙幣発行権を認められたという経緯がある。これが先例となって各国で採用されていった。

Q: What you’re saying doesn’t sound reasonable. It can’t be right?!
A: These facts have been confirmed by many researches. For example, Positive Money according to the UK economy and Web Of Debt according to the US economy. You can watch the documentary Money As Debt if you’re still in doubt.

Q: そんなこと言われても信じられないんだけど・・・本当に正しいの?
A: 多くの研究者が確認した事実です。例えば、イギリス経済についてはPositive Moneyという団体のサイトをご覧ください。アメリカ経済についてはWeb Of Debtという団体のサイトが詳しいです。それでもお疑いなら、YouTubeで “Money As Debt” という動画を観てみてください。

これが現実なのである。ちなみに “Money As Debt” という動画は日本語字幕付きで視聴できる。

シンプルに考えてみてほしい。お金は主に二つの経路で創造される。

  • 市中の銀行で民間に貸し出したとき
  • 政府が国債を発行し、中央銀行が政府に貸し出したとき

政府の債務は国民の税金で返済される。つまり、お金は国民→銀行、または国民→政府→銀行のどちらかの経路で銀行へ還流するしくみになっているのである。仮想通貨をつくった人たちの “怒り” がおわかりだろう。

中央銀行はいかにも政府を監視して国民のために働いているような顔をしているが、”なんちゃって” 公的銀行なのである。ちなみに英語ではこの手の巨大な騙しをいろいろ表現するタームがある。ponzi scheme、pyramid scheme (selling)、monetary mayhem、scam、theft 等々・・・

Q: So what is the Solution?
A: A gift based economy would probably be a better one, but such an economy can’t be deployed rapidly. Right now we suggest that you consider Freicoin. In Freicoin, the money creation process is controlled by mathematical algorithms, implemented in the Freicoin software. It’s a result of the modern achievements by mankind – powerful computing systems, distributed networks and applied cryptography.

Q: じゃあ解決策はあるの?
A: 贈与経済に戻るのが最良の選択かもしれませんが、いますぐ普及させるのは無理でしょう。現状ではFreicoinの利用をお勧めします。Freicoinでは、お金の創造はソフトウェア上の数学アルゴリズムで制御されています。このアルゴリズムは強力な計算能力、分散ネットワーク、暗号応用技術など現代人類が達成した成果に基づくものです。

お金のしくみの問題点は銀行に与えられている行き過ぎた特権にある。

すべての歪みはここに発している。お金が権力関係を規定しているのだ。だから民主主義の理念と相容れないのである。

現在の民主主義が本当の意味で民主的になっていない根っこの原因は、お金による権力関係の規定を既成事実として運用されているお金のしくみにある。他の問題は原因ではなくあくまでこの歪みが生んだ結果なのである。学校やメディアは逆な風に教えているが、”大人の事情” というやつか。

だから仮想通貨の非中央集権(decentralization)、トラストレス(trustless)という哲学が大事なのである。仮想通貨の標的は政府ではない。銀行である。ここを誤解しないようにしないといけない。

覚えておきたい金融関連用語

最後に、英語の勉強に役立つので関連する金融用語を出しておこう。

銀行はフリーハンドを与えられている。コンピューター上に数字を入力すればお金が生まれる。この作業を一般に信用創造といっている。英語ではシンプルに “money creation” だ。ちなみに金融界で信用といえば広い意味がある。この場合の信用は負債の意味だ。お客から見れば銀行に “信用” されてお金を借りられるわけだが、ありていに言えば負債である。したがって credit=debt=liability という等式が成り立つ。債務者は “debtor”、債権者は “creditor” だ。

また銀行には申し訳程度に、預金総額の一部を(1%とかその程度)いざというときのために中央銀行に預けておく義務がある。それさえ守ればいくらでもお金を作っていい。このお墨付きのシステムを部分準備銀行制度と呼んでいる。英語では “fractional reserve banking” だ。

最後に、現在のおかしなお金のしくみを一般的には管理通貨制度と呼んでいる。このことばには定訳が見つからない。一般的には “managed/controlled currency system” か。例文を挙げておこう。

“Each nation had discontinued the gold standard system due to the aftermath of the World War, and shifted to the managed currency system.”

「第一次世界大戦の影響で各国政府とも金本位制を中断し、管理通貨制度に移行した。」